摂食困難から生じる問題
今回で3回目となる認知症カフェ(廿日市)において、株式会社ドラッグしみず 薬剤師/認知症ケア専門士の山下大介先生に摂食障害から生じる問題についての講演と共に、介護食の試食会を行って頂きました。
摂食困難から生じる問題として次のものが考えられます。
1)疾患(例:臓器不全、炎症、悪性腫瘍、疼痛、薬物副作用、義歯などの口腔内問題、摂食嚥下障害、ADL障害、消化管の問題など)
2)社会的要因 (貧困、独居、介護力不足、孤独感など)
3)加齢(臭覚・味覚障害、食欲低下など)
4)精神的心理要因(認知機能障害、うつ病、誤嚥、窒息の恐怖等)
以上のことから食事摂取量が減少し、脱水、便秘、低栄養になってしまいます。
認知症機能障害について、認知症の種類によって特徴は様々ですが、食べ始めるまでの問題、食べ始めてからの問題、飲み込むことなどの問題など様々な問題が生じます。また、過食であっても認知症が進行するとだんだん食事が取れなくなっていきます。
上記のように脱水症状や低栄養、便秘、不活性な生活が原因で認知症の症状が悪化するとも指摘されています。
認知症・認知症予防の食事
認知症予防の食事には、バランスの良い『和食』(主食・主菜・副菜)がよいを言われています。
特に青魚の成分であるDHAやEPAは脳細胞を活性化する一方、動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞・高血圧などの予防に効果があり、体内からの異物に対して体を守る免疫機能の改善や促進の働きもあります。また、牛乳や乳製品も不足がちになる食品ですので気にかけながら取るようにしましょう。
しかしながら、認知症になってしまうと食事量が食べられない、好きなものしか食べたくないというようになってしまいます。その場合は、方法の一つとして食事量は食べれるだけにして、補助食品を取る方法や、栄養パウダーやプロテインパウダーなどを食事に混ぜて栄養密度を高めるのも良いでしょう。